被爆体験記・原爆詩
原爆詩
おとうちゃん
小学三年 柿田佳子(かきたよしこ)
にぎやかな広しまの町
そこでしんだ、おとうちゃん
げんばくの雲にのっていったおとうちゃん
おしろのとこでしんだ、おとうちゃん
わたしの小さいときわかれたおとうちゃん
かおもしらないおとうちゃん
一どでもいい、ゆめにでもあってみたいおとうちゃん
おとうちゃんとよんでみたい、さばってみたい(※)
せんそうがなかったら、おとうちゃんはしななかったろう
もとのお家にいるだろう
にいちゃんのほしがるじてんしゃも
かってあるだろう
- ※抱きついてみたい
(広島市本川小学校 昭和十八年十月九日生八歳八カ月 当時広島市鷹匠町)
出典:原爆の詩編纂委員会(編)『詩集 原子雲の下より』,青木書店,1952,p.24-25
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